建設業許可を保有し、公共工事の入札参加を目指す事業者様にとって欠かせない「経営事項審査(経審)」この経審の審査基準が、令和8年7月1日以降の申請から大きく見直されました。具体的な変更点を3つに分けて解説します。

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無が新設

企業を評価する項目として、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無が新設されました。

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」とは

自主宣言制度で宣言した取組を、取組開始日以降に「行う」または「行っている」旨を誓約することで加点されます。

これに合わせて、既存の「W1-10:建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」の配点も見直されます。

審査項目改正前改正後
就業履歴の蓄積措置(民間工事を含む全ての建設工事)15点10点
就業履歴の蓄積措置(全ての公共工事)10点5点
自主宣言制度の宣言の有無(新設)5点

「建設機械の保有状況(W7)」の加点対象を拡大

災害時の復旧対応での活用実績が確認できる建設機械について、これまでの9機種(ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル、締固め用機械、解体用機械、高所作業車、モーターグレーダー、移動式クレーン、ダンプ)に加え、次の2機種が新たに加点対象に追加されます。

  • 不整地運搬車(土砂の運搬等)
  • アスファルト・フィニッシャ(道路舗装)

「社会保険加入」に関する評価項目を削除

これまで経営事項審査では、雇用保険・健康保険・厚生年金保険の未加入に対してそれぞれ最大40点の減点(合計最大120点減点)が課されていました。

しかし、令和2年10月の建設業法改正で社会保険加入が建設業許可・更新の要件そのものに組み込まれたため、更新周期(5年)を踏まえると令和7年10月1日以降に建設業許可を保有する事業者は、社会保険加入要件を当然に満たしていることになります。

そのため、経審の段階で改めて加入状況を確認する必要性が乏しいとして、この3項目は審査対象から丸ごと削除されることになりました。

総合評定値(P点)への影響

今回の改正により、W点(その他審査項目・社会性等)の最低点は「-210点」から「-90点」へ、総合評定値Pの最低点も「163点」に変更されます(W点のウェイトは0.15で変更なし)。
社会保険関連の大幅な減点項目がなくなる一方、新設・拡大された加点項目をどれだけ取り込めるかが、今後のW点の差別化ポイントになりそうです。

項目区分最高点/最低点ウェイト
経営規模(X1)2,309点/397点0.25
経営規模(X2)2,280点/454点0.15
経営状況(Y)1,595点/0点0.20
技術力(Z)2,441点/456点0.25
その他審査項目(W)2,073点/▲788点0.15
総合評定値(P)2,159点/163点

まとめ

今回の改正は、令和8年7月1日以降に申請する経審から適用されます。事業者様は次の点を事前にチェックしておくとスムーズです。

  • 自主宣言制度への宣言・誓約書の準備を進めているか
  • 加点対象に追加された「不整地運搬車」「アスファルト・フィニッシャ」の保有状況
  • これまで社会保険未加入で減点を受けていた場合、許可要件自体は満たしているか(更新時期の確認)

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