公共工事の入札に参加したい建設業者様にとって、避けて通れない手続きが「経営事項審査(経審)」です。
「経営事項審査(経審)」では、「経営状況」と「経営規模、技術力、その他の審査項目」を審査します。この「経営状況」を数値化し評価することが「経営状況分析」です。
経営状況分析とは?
経営状況分析とは、企業の財務諸表(決算書)をもとに、企業の財務状況(経営の健全性)を数値化して客観的に評価します。
評価項目
経営事項審査の際には、「経営規模(X1・X2)」「技術力(Z)」「社会性(W)」「経営状況(Y)」の4つの項目が評価の対象になり、総合評定値P点が算出されます。

このうち、経営状況(Y点)だけは国土交通大臣の登録を受けた「登録経営状況分析機関」に依頼して審査を受けます。
経営状況分析で評価される「4つの指標」と「8つの項目」
経営状況分析(Y点)では、会社の決算書をもとに以下の4つの指標(合計8項目)から総合的に評価されます。
- 収益性(稼ぐ力)
- 純支払利息比率
- 売上高経常利益率
- 流動性(短期的な支払い能力)
- 流動比率
- 営業キャッシュフロー
- 安定性(中長期的な財務の強さ)
- 自己資本対固定資産比率
- 自己資本比率
- 健全性(借入金などの負債の状況)
- 営業キャッシュフロー対有利子負債比率
- 利益剰余金
簡単に言うと「利益をしっかり出しているか」「借金に頼りすぎていないか」「手元の資金に余裕があるか」がチェックされます。

経営状況分析の手続きの流れ
経営状況分析は、行政庁への経審の申請(本審査)の前に行う必要があります。基本的な流れは以下の通りです。
- 決算の確定と税務申告
まずは通常の決算を行い、税務署への申告を済ませます。 - 建設業法に基づく財務諸表の作成
税務申告用の決算書を、建設業法で定められた勘定科目に振り替えて「建設業財務諸表」を作成します。 - 登録経営状況分析機関への申請
登録経営状況分析機関の中から任意の機関を選び、分析手数料を支払って申請書類を提出します。どの機関を選んでも評価の計算式は同じなので、点数が変わることはありません。 - 経営状況分析結果通知書の受領
審査が終わると「経営状況分析結果通知書」が届きます。 - 行政庁への経営事項審査(本審査)の申請
届いた結果通知書をその他の必要書類と一緒に添付し、都道府県などの行政庁へ経審の申請を行います。
Y点をアップさせるためのポイント
Y点の評価を高めるためには、日々の健全な経営が不可欠です。売上を増やすだけでは点数が上がらず、売上以外の改善も意識することが重要です。
- 不要な資産(不良債権や過剰な在庫)を減らす
- 借入金を減らし、自己資本比率を高める
- 利益をしっかり出し、利益剰余金を積み上げる
まとめ
経営事項審査における「経営状況分析」は、企業の財務的な健康診断のようなものです。初めて公共工事への参入を検討されている場合は、行政書士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。お気軽にお問い合わせいただければと思います。



