国土交通省より経営事項審査(経審)の改正に関する告示が公布されています。 今回の改正で注目すべきなのが、W点における「担い手確保・育成」に関する評価の大きな転換です。
これまで大きなウェイトを占めていた「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への配点が見直され、新たに「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」という評価軸が導入されます。2026年7月1日から施行されるこの変更点に絞り、具体的な内容を解説します。
経営事項審査のW点とは
経営事項審査(経審)のW点は、「その他の審査項目(社会性等)」の評点です。建設業者の社会的貢献度や経営の健全性を評価するもので、主に以下のような項目から構成されています。
主な評価項目:
- 労働福祉の状況 — 雇用保険・健康保険・厚生年金保険への加入、建設業退職金共済制度(建退共)への加入、退職一時金制度・企業年金制度の導入、法定外労働災害補償制度への加入状況
- 建設業の営業継続の状況 — 営業年数、民事再生法・会社更生法の適用有無
CCUSの配点バランスが変わります
既存の「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況(W1-10)」の配点が見直されます。 現行では最大15点(民間含む全工事)でしたが、改正後は最大10点となり、新設の「自主宣言(5点)」と合わせて評価されます。
| 項目 | 現行 | 改正後 |
|---|---|---|
| CCUS配点 | 最大15点 | 最大10点(↓5点) |
| 自主宣言(新設) | — | 5点 |
| 合計 | 15点 | 15点 |
つまり、点数を維持・向上させるためには、CCUSの活用だけでなく、新たな「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」を行うことが重要になります。自主宣言制度の申請受付は令和7年12月12日頃から開始予定とされています。

国土交通省資料から引用
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」とは?
この新制度は、建設技能者の処遇改善に向けた企業の取組を「見える化」するためのものです。加点(5点)を得るためには、以下の3つの必須項目について宣言を行い、実行する必要があります。
1. 労務費の確保・賃金支払い等のための取組
下請事業者への「労務費・材料費等の内訳を明示した見積書」の提出や、元請としての尊重、技能者への適切な賃金支払いへの取組などが求められます。
2. CCUSの活用(就業履歴の蓄積)
元請の場合:全現場での履歴蓄積環境の整備、または利用技能者への環境整備など
下請の場合:雇用する全ての技能者について「詳細型」の技能者登録を行うこと
3. 宣言企業との取引優先
取引先(下請けやパートナー)を選定する際に、同じくこの「自主宣言」を行っている企業を優先的に考慮すること



