「建設業許可がなくても請け負える工事」は、2つの異なる制度があります。まずはここを切り分けて考えましょう。
- 軽微な建設工事 … 許可を1つも持っていない事業者でも請け負える小規模工事
- 附帯工事 … すでに何らかの許可を持つ建設業者が、その許可業種の工事に付随する“別業種”の工事を、その業種の許可なしで請け負える仕組み
附帯工事の理解の前に、比較対象となる「軽微な建設工事」を簡単におさらいします。建設業を営むには、原則として業種ごとに建設業許可が必要です(建設業法第3条)。ただし、次の範囲に収まる「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可がなくても施工できます。
- 建築一式工事以外:1件の請負代金の額が500万円未満(税込)の工事
- 建築一式工事:1件の請負代金の額が1,500万円未満(税込)、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
附帯工事とは
附帯工事の根拠となるのは建設業法第4条です。
(附帯工事)
第四条 建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
許可を受けた業種の工事を請け負うとき、それに付随(附帯)する別業種の工事であれば、その別業種の許可を持っていなくても一緒に請け負えます。
たとえば、管工事業の許可を持つ会社が店舗の給排水管の入れ替え工事を請け負い、その配管を通すために一部の壁や床を解体して元どおりに補修する軽微な工事を大工工事業の許可なしで一体で施工する、といったケースです。
附帯工事と認められるための判断基準
「付随している工事なら何でも附帯工事になる」わけではありません。国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」では、附帯工事を次のように定義しています。
主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事、または主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないもの
附帯工事として認められるための要点を整理します。
主たる工事に対して「従たる」関係にあること
附帯工事は、あくまでメインの工事を完成させるために必要になった“サブの工事”です。次のいずれかに当てはまる必要があります。
- 主たる工事を施工するために必要を生じた工事
- 主たる工事を施工した結果として必要を生じた工事
独立した目的を持たないこと
その工事だけで独立した目的がある場合は附帯工事になりません。あくまで主たる工事と一体で意味を持つ、従属的な工事であることが求められます。
規模(金額)が主たる工事を上回らないこと
実務上、附帯工事の請負金額が主たる工事の請負金額を上回るような場合は、附帯とは認められにくいとされています。附帯工事がメインより大きくなっている時点で、それは「従たる工事」とはいえないためです。
まとめ
- 「許可がなくても請け負える工事」には、許可自体が不要な「軽微な建設工事」と許可業者が付随工事を請け負える「附帯工事」の2つがある
- 附帯工事は、主たる工事の許可を持っていることが前提で、その工事に付随する別業種の工事を、その業種の許可なしで請け負える制度
- 附帯工事と認められるには、主たる工事に従たる関係にあること・独立した使用目的を持たないこと・規模が主たる工事を上回らないことが求められる



