建設業の許可申請や更新手続きにおいて、「役員等」という言葉は頻繁に登場します。しかし、一般的な「役員」と建設業法上の「役員等」は範囲が異なるため、正確に理解しておくことが重要です。
本記事では、建設業法における「役員等」の定義などを解説します。
建設業法における「役員等」とは
建設業法第5条および関連通達において、「役員等」は以下のように定義されています。
建設業法上の「役員等」とは、業務を執行する社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる者、および相談役・顧問・株主等であって実質的に経営に関与する者を指します。
「これらに準ずる者」とは・・・
法人格のある各種組合等の理事等です。原則、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は含まれません。
第五条
三 法人である場合においては、その資本金額及び役員等(業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)の氏名
具体的に含まれる者
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 登記上の役員 | 取締役、代表取締役、監査役、執行役員 |
| 持分会社の業務執行社員 | 合名会社・合資会社・合同会社の業務執行社員 |
| 相談役・顧問 | 役職名にかかわらず実質的に経営に影響を与える者 |
| 5%以上の株主等 | 発行済株式の5%以上を保有し、経営に関与する個人・法人 |
なぜ「役員等」の範囲が重要なのか
建設業許可の申請・維持においては、役員等の全員が欠格要件に該当しないことが求められます。一人でも欠格要件に該当する役員等がいる場合、許可を取得・維持することができません。
欠格要件の主な例
- 禁錮以上の刑に処され、その刑の執行が終わってから5年を経過しない者
- 建設業法、建築基準法などの違反による罰金刑を受け、5年を経過しない者
- 成年被後見人・被保佐人
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 過去に許可を取り消されてから5年を経過しない者
これらの欠格要件は、登記上の役員だけでなく、実質的に経営に関与するすべての「役員等」に適用されます。
まとめ
建設業法上の「役員等」は、登記上の役員にとどまらず、実質的に経営に影響を与えるすべての者を含む広い概念です。許可の取得・維持のためには、すべての役員等が欠格要件に該当しないことを継続的に確認することが不可欠です。


