建設業界では、技能者の能力評価と処遇改善を目的として建設キャリアアップシステム(CCUS)が運用されています。その中でも「登録基幹技能者」は、高度な技能と豊富な実務経験を持つ技能者として重要な位置づけにあります。
登録基幹技能者とは
登録基幹技能者とは、建設業における各職種の高度な技能と知識を有し、現場での作業を統括する能力を認められた技能者のことです。各専門工事業団体が実施する講習を修了し、登録された者が「登録基幹技能者」です。
「登録基幹技能者」は、建設業で長年働いている優れた職人さんです。

登録基幹技能者の種類
登録基幹技能者は、
- 登録鉄筋基幹技能者
- 登録型枠基幹技能者
- 登録電気工事基幹技能者
などの種類に分けられます。
それぞれの職種に対応した建設業の種類において、建設業法上の「主任技術者」の要件を満たすものとして認定されています。
例えば、「登録電気工事基幹技能者」は電気工事や電気通信工事の「主任技術者」になることが可能です。
建設キャリアアップシステムでの位置づけ
建設キャリアアップシステムでは、技能者を4段階のレベルに区分しています。
登録基幹技能者の資格を保有していることは、最上位レベルである「レベル4」の評価基準の一つとして重視されています。

レベル4の認定を受けるためには、以下のような要件があります。
- 就業日数:職種により10年(2,150日)程度の実務経験
- 登録基幹技能者資格の保有
- 職長経験年数:3年以上
つまり、登録基幹技能者資格は、CCUSにおいて最高レベルの技能者として認定されるための重要な要素です。
登録基幹技能者になるには
登録基幹技能者になるための一般的な流れは以下の通りです。
- 1. 受講資格の確認
- 各職種によって異なりますが、一般的に以下のような要件が求められます。
・1級技能士などの上級技能資格の保有
・10年以上の実務経験
・職長経験または職長教育の修了
- 2. 講習の受講
- 要件を満たしている場合、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録基幹技能者講習」を申し込み、受講します。
- 3. 試験と登録
- 講習修了後、修了試験に合格することで「登録基幹技能者」として登録され、認定証が交付されます。
- 4. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
- 登録基幹技能者は、CCUSにおいて最高位の評価である「レベル4(ゴールドカード)」の対象となります。認定後にシステムへ登録・反映させることで、現場での処遇改善や能力の証明に活用できます。
登録基幹技能者を取得するメリット
技能者個人にとって
- 技能と経験の客観的な証明となる
- CCUSでのレベル4認定により、能力評価カードに反映される
- キャリアアップの明確な指標となる
建設会社にとって
- 経営事項審査での加点対象となる
- 公共工事における施工体制の評価向上
- 現場の品質・安全管理レベルの向上
建設業許可との関係
登録基幹技能者は経営事項審査(経審)において評価項目となっています。
経営事項審査のZ点(技術力評価)において、登録基幹技能者を雇用している建設業者は加点を受けることができます。具体的には、登録基幹技能者1人につき、該当する業種で2点の加点が得られます。
公共工事の入札参加を希望する建設業者にとって、経審の点数向上は非常に重要です。
今後の展望
国土交通省は、2025年度以降、公共工事において建設キャリアアップシステムの活用を原則化する方針を示しています。また、登録基幹技能者の配置を求める工事も増加傾向にあります。
建設業界全体で高齢化が進む中、熟練技能者の技能継承と若手育成は喫緊の課題です。登録基幹技能者は、技能の伝承役としても期待されており、その重要性はますます高まっていくでしょう。
特に以下のような場合は、積極的な取得をお勧めします。
- 公共工事の受注拡大を目指している
- 経営事項審査の点数アップを図りたい
- 若手技能者の育成体制を整えたい
まとめ
建設業界の持続的発展のためには、優秀な技能者を育成し、適切に評価していく仕組みが不可欠です。CCUSと登録基幹技能者制度を効果的に活用することで、業界全体の技能レベル向上と担い手確保につながることが期待されています。



