公共工事の入札に参加するために欠かせない「経営事項審査(経審)」において、その結果通知書に記載される「総合評定値(P点)」は建設業者として重要な指標です。

「P点はどうやって計算されているのか?」 今回は、経審の点数構造を分解し、P点の算出方法のポイントを解説します。

経営事項審査の「P点」とは?

総合評定値(P点)とは、建設業者の経営状況や技術力を数値化した客観的なスコアです。国や自治体は、このP点を基準にして企業をランク付けし、発注する工事の規模や種類を決定します。

公共工事の入札参加資格におけるランクは、発注機関ごとに異なります。主に経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)を基準としつつも、独自の評価基準を加味して企業を分類しています。

ランク付けの例

例えば国の機関である国土交通省や農林水産省などの省庁では、それぞれが独自の基準に基づいて入札参加資格者のランク付けを行っています。
経営事項審査のP点を主要な指標とし、それを基にランク分けします。

例:令和7・8年度関東地方整備局一般競争(指名競争)参加資格における等級区分別総合点数(一般土木工事)

等級区分総合点数予定価格
A3,040点以上8億2,000万円以上
B3,040点未満~2,630点以上3億4,000万円以上8億2,000万円未満
C2,630点未満~1,660点以上7,000万円以上3億4,000万円未満
D1,660点未満7,000万円未満

引用:国土交通省関東地方整備局ホームページ

P点の計算式と構成要素

P点は、大きく分けて5つの要素(X1, X2, Y, Z, W)から成り立っています。

記号要素
X1工事実績による業種別完成工事高
X2自己資本額や利益など
自己資本額および平均利益額
社会性等
経営状況

計算式は以下の通りです。

計算式

総合評定値 P = 0.25 X1 + 0.15 X2 + 0.2 Y + 0.25 Z + 0.15 W

※小数点以下四捨五入

単に売上が高ければ良いわけではなく、技術力や社会性など、バランスの取れた経営が求められていることがわかります。

イメージ

各項目の詳細と重要度

それぞれの項目が何を評価しているのか見ていきましょう。

X1:完成工事高

経営規模を表す指標の1つで、 1,000万円未満から1,000億円以上までの42区分に分けて、 建設業業種区分ごとに評点が決まります。

X2:自己資本額・利益額

自己資本額および平均利益額を評価する指標です。自己資本が大きい会社ほど強い経営体質であるという評価になります。

Y:経営状況

企業の経営状態を財務諸表に基づいて「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全」「絶対的力量」の4つの項目から判断します。経営の安定性や収益性を分析します。

Z:技術力

「技術職員の数による点数」「元請完成工事高の額」による点数を足し合わせて計算します。資格や実務経験をもった技術職員がどのくらい在籍しているか、元請として請け負った実績がどのくらいあるかを評価します。

W:社会性等

建設業の担い手確保・育成や、防災活動への貢献などを評価します。

  • 社会保険の加入状況
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入
  • 建退共への加入

などが加点対象となります。

まとめ

総合評定値(P点)は、5つの要素から構成されています。各要素の点数を上げて、ランクが上がれば、より大規模な公共工事の入札に参加することが出来ます。

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