建設業界では長年、技能者の処遇改善や労働環境の向上が課題とされてきました。そんな中、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」は、建設技能者の待遇改善に積極的に取り組む企業を見える化し、業界全体の底上げを図る重要な取り組みです。

自主宣言制度とは

建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度は、2025年12月12日から開始された新しい取り組みです。この制度は愛称「職人いきいき宣言」として、改正建設業法の全面施行と同時にスタートしました。

国土交通省が推進するこの制度は、建設技能者の処遇改善や働き方改革に取り組む企業が、その姿勢を対外的に明確に示すための仕組みです。

参加は国土交通省のポータルサイトから受け付けています。

主な宣言項目

企業が宣言する主な項目には、以下のようなものがあります。

適切な賃金の支払い: 技能や経験に見合った適正な賃金を支払うこと、社会保険への加入徹底などが含まれます。建設キャリアアップシステムを活用した能力評価に基づく処遇改善も重要な要素です。

労働時間の適正化: 週休2日制の導入、長時間労働の是正、有給休暇の取得促進など、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みが求められます。

安全衛生管理の徹底: 現場の安全対策、健康診断の実施、快適な作業環境の整備など、技能者の安全と健康を守る体制づくりが不可欠です。

教育・研修の充実: 技能向上のための研修機会の提供、資格取得支援、若手育成プログラムの実施など、技能者のキャリア形成を支援する取り組みです。

女性や若者の活躍推進:多様な人材が活躍できる環境整備、ハラスメント防止対策、育児・介護との両立支援なども重要な宣言項目となっています。

経営事項審査との関連性

建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度は、経営事項審査(経審)とも密接に関連しています。経営事項審査は、公共工事を受注する建設業者の経営状況や施工能力を客観的に評価する制度で、その評価結果は入札参加資格の審査などに活用されます。

W点(社会性等)への影響

経営事項審査では、評価項目の一つとして「社会性等(W点)」があり、ここで労働福祉の状況が評価されます。

経営事項審査における『その他社会性(w)』の改正が2026年7月1日に施行されます。改正案では『建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度』の宣言状況が新しい加点項目として追加されることになっています。

シンボルマークの活用

宣言を行った企業は、シンボルマークと愛称「職人いきいき宣言」を自社ホームページ、名刺、パンフレット、求人情報などに使用し、処遇改善への積極的な姿勢を対外的にアピールできます。

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