建設業界が将来にわたって担い手を確保し、品質の高い工事を持続的に行っていくためには、技能者の適正な評価と処遇改善が不可欠です。
この目標を実現するために、建設キャリアップシステム(CCUS)において、「登録基幹技能者制度」という仕組みが導入され、その活用が進められています。
登録基幹技能者とは
登録基幹技能者とは、平成20年1月に改正された建設業法施行規則にもとづき、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録基幹技能者講習」の修了者を指します。
建設現場の品質確保や安全管理において、現場で直接従事する技能労働者、特に職長の役割は極めて重要です。その中で、登録基幹技能者は、まさにその現場の要となる存在です。
登録基幹技能者は、熟達した作業能力、豊富な知識、現場を効率的にまとめるマネジメント能力を備え、専門工事業団体の資格認定を受けた技能者です。彼らは、建設現場における直接の生産活動において中核的な役割を担います。
主な役割は、建設現場での技能労働者のトップ(総括職長)として、安全管理・品質管理等の横断的な調整・指導を実施することです。
具体的な業務内容には、現場の状況に応じた施工方法等の提案・調整、作業を効率的に行うための技能者の適切な配置や手順等の構成、生産グループ内の技能者に対する指示・指導などが含まれます。

主な要件
以下のすべてを満たす必要があります。
- 実務経験10年以上
- うち職長経験3年以上
- 最上級の技能者資格(1級技能士等)の保有
登録基幹技能者のメリット
登録基幹技能者制度の活用は、技能者自身の処遇改善だけでなく、企業や公共工事の評価にも直結します。
公共工事での評価・活用
登録基幹技能者の配置は、国や地方公共団体の公共工事の入札において積極的に評価されています。国土交通省のすべての地方整備局等や、多くの都道府県・政令指定都市が、総合評価における登録基幹技能者の活用を導入しています。
発注者からは、「登録基幹技能者制度は、技能労働者のレベルアップにつながる」「優良な専門工事業者の確保、優良な技能者の処遇改善につながり、ひいては若年者の入職促進、技能の伝承につながる」といった声が上がっており、その有効性が認められています。
元請企業による優遇制度
元請企業においても、登録基幹技能者を優遇する制度が広がっています。多くの元請企業が「優良技能者認定制度」を導入しており、認定基準として「登録基幹技能者」または同等以上の資格を重視しています。
まとめ
登録基幹技能者制度はそのキャリアパスの目標像を提供します。建設業界において「良い職人を育て、雇用する専門工事企業が選ばれる環境」を整備し、技能労働者の地位向上と若年者の入職促進に大きく寄与することが期待されています。


