建設業界における外国人技能者の受け入れが拡大する中、適切な就労管理の重要性がますます高まっています。
国土交通省は2027年度以降、建設キャリアアップシステム(CCUS)と出入国在留管理庁の在留情報を連携させ、外国人技能者の就労資格確認を効率化する新たな取り組みを開始します。
国土交通省は育成就労制度の開始にあたり、CCUSを外国人材の中長期的なキャリア形成にも活用する方針です。蓄積した就業履歴や保有資格に基づくCCUS能力評価を、処遇改善や計画的な人材育成に生かします。
育成就労制度・・・技能実習制度に代わり、人手不足分野における外国人の人材育成と人材確保を目的とした新たな在留資格制度です。2027年4月1日施行予定で、最長3年間で日本での就労を通じて「特定技能1号」水準の技能を習得させ、その後も長期的な活躍を目指すものです。
CCUSと在留情報の連携
CCUSが国交省の外国人就労管理システムを介して入管庁の在留情報と連携します。これにより、以下のような流れで在留資格の確認が可能になります。
確認できる主な項目
- 在留資格の種類
- 在留期限
- 本人確認情報
- 施工体制技能者情報との照合結果
導入による効果
就労管理の効率化
従来の紙ベースでの確認作業から解放され、現場での煩雑な手続きが大幅に削減されます。カードをタッチするだけで必要な情報を即座に確認できるため、入場管理がスムーズになります。
コンプライアンスの強化
適正な就労資格を持つ外国人技能者のみが現場で働いていることを確実に担保できます。建設分野での外国人受け入れに対する社会的信頼性が向上します。
JACによる補助制度
建設技能人材機構(JAC)は、システム導入を促進するため、2024年11月4日から以下の補助申請を受け付けています。
- CCUSカードリーダー購入費用の補助
- 外国人技能者のカードタッチ費用の補助
今後のスケジュール
- 2027年度〜 CCUS と在留情報の連携機能導入予定
現在、国交省側では連携可能なシステムの要件定義や設計を進めており、2027年度以降の本格導入に向けて準備が着々と進んでいます。
まとめ
CCUSと在留情報の連携は、建設業界における外国人技能者の就労管理を大きく変革する取り組みです。デジタル化による効率化だけでなく、適正な受け入れ環境の整備、キャリア形成支援、処遇改善といった多面的な効果が期待されています。
建設業界全体で外国人材の受け入れ体制を強化し、持続可能な人材確保につなげていくことが、今後ますます重要になるでしょう。


