建設事業者が外国人技能実習生等を受け入れる場合、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が義務付けられています。 

CCUSの登録は全ての建設事業者に対しては任意ですが、特定の外国人材を受け入れる場合は例外的に義務化されています。
本記事では、その詳細と登録を怠った場合の影響について解説します。


1. 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?

CCUSは、技能者の資格、社会保険加入状況、就業履歴、そして技能の評価を業界横断的に登録・蓄積し、「見える化」するための仕組みです。

技能者が現場で働く際、専用のカードリーダーにICカードをかざすことで、いつ、どの現場で、どのような作業を行ったかの履歴が正確に記録されます。技能者は自身のスキルや経験を客観的に証明でき、公正な処遇やキャリアアップにつながることが期待されています。


2. CCUS登録の義務

一般の建設技能者や事業者のCCUS登録は任意ですが、以下の外国人材を受け入れる建設事業者は、事業者と技能者本人の両方についてCCUSへの登録が義務付けられています

  • 外国人技能実習生
  • 特定技能外国人
  • (※過去に存在した)外国人建設就労者

重要なポイント

この義務は、技能実習の適正な実施と技能実習生の処遇改善を目的として、国土交通省や外国人技能実習機構の指針で定められています。

CCUSへの登録が建設分野における技能実習計画認定の必須要件となっています。
登録を怠ると、外国人技能実習生を受け入れることができません


3. いつまでに登録が必要か?

外国人技能実習生を受け入れる場合、以下のタイミングまでに登録を完了させる必要があります。

  1. 事業者登録: 外国人技能実習計画の認定申請を行う前までに完了させておく必要があります。
  2. 技能者登録(実習生本人): 1号実習期間(入国後約1年目)が終了し、2号実習に移行するまでに完了することが義務付けられています。

実習生がスムーズに現場で働き、キャリアをスタートさせるためにも、できるだけ早期に登録手続きを進めましょう。


4. 登録を義務化する目的とメリット

なぜ、外国人材の受け入れにCCUS登録が義務付けられたのでしょうか?

目的メリット
適切な就労管理技能者の在留資格や安全教育の受講状況などをシステムで一元管理し、不法就労や安全対策の不備を防ぎます
処遇の適正化経験や技能が「見える化」されることで、日本人と同等以上という賃金基準に基づいた、客観的な評価と処遇の改善につながります。
技能・経験の証明実習生が本国へ帰国した後も、CCUSの記録がキャリア証明として活用できる可能性があります。

5. 登録をしないとどうなる?

CCUSへの登録を怠った場合、外国人技能実習制度の適切な運用ができないと見なされ、以下のような重大な影響が出ます。

  1. 技能実習計画の認定が受けられない
  2. 法令違反と判断され、指導や罰則の対象となる可能性があります。

外国人技能実習生を適正に受け入れ、育成していくためには、CCUSの登録は避けて通れない手続きです。


まとめ

建設業で外国人技能実習生を受け入れる事業者の皆さまにとって、CCUS登録は単なる推奨事項ではなく、法令上の義務です。

スムーズな受け入れと適正な実習実施のため、早めに事業者登録を行い、実習生についても忘れずに技能者登録の手続きを進めましょう。

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