建設業許可を取得するためには、技術者の配置や経営業務の管理責任者の要件など、複数の条件をクリアする必要があります。今回は「財産的基礎」について解説いたします。
財産的基礎の特徴
建設業許可の要件は大きく5つありますが、財産的基礎には他の要件とは異なる特徴があります。
他の4つの要件:許可取得後も継続的に維持する必要がある
財産的基礎:申請時点での資産状況のみで判断される
つまり、財産的基礎は「申請段階で基準額以上の資産があるか」という一時的な判定であり、許可取得後に資産が減少しても直ちに許可が取り消されることはありません。

一般建設業の財産的基礎の基準:自己資本500万円以上
正確には「自己資本が500万円以上あること」が求められます。
自己資本の確認方法
決算書の「貸借対照表」をチェック
- 貸借対照表の右下部分を確認する
- 「純資産の部」という項目を見つける
- 「純資産合計」の金額を確認する
重要ポイント:建設業許可の申請においては、この「純資産合計」を「自己資本」として取り扱います。※「資本金500万円以上」ではありません。
直近の決算書(現時点で確定している最新の決算)の純資産合計が500万円以上であれば、財産的基礎の要件は満たしています。
【例】資本金300万円でも許可取得可能なケース
資本金:300万円
利益剰余金:300万円
純資産合計:600万円 → 要件クリア
自己資本の額が500万円に満たない場合の対策
増資の手続きや銀行からの融資などの対策を講じることで要件を満たすことが出来ます。
まとめ
建設業許可の財産的基礎について、重要ポイントは次のとおりです。
- 財産的基礎は申請時点での判定のみ
- 一般建設業は「自己資本500万円以上」
- 自己資本 = 決算書の純資産合計
- 資本金ではなく純資産で判定
- 直近の確定決算書で確認