建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入は、建設業界における技能者の就業履歴や能力評価を透明化し、適正な処遇に繋げるための重要な取り組みです。本記事では、建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場利用の基本的なフローを解説します。
現場利用の準備
現場管理者の選定とIDの取得
施工体制登録や入退場デバイスの設置などを管理する現場管理者を選任し、「現場管理者ID」を申請・取得します。
現場監理者とは・・・施工体制の登録をしたり、カードリーダーの設定等を捜査するユーザです。

現場・契約情報の登録
現場名、工事内容、現場管理者、発注区分など、「現場情報」「契約情報」「工事情報」の3種類の情報を登録します。この登録が完了すると、現場IDが付番されます。
入退場デバイスの検討・選択
技能者の就業履歴を蓄積するための入退場デバイスを検討・選択します。現場で利用できるデバイスは主に2種類あります
- パソコン(Windows/Mac)
- iPhone / iPad
- Android端末
- 📱 電話発信
- 👤 顔認証
- 📷 QRコード
- 👆 指静脈認証
施工体制の登録
現場登録が終わったら、元請事業者と下請事業者が協力し、施工体制情報を登録します。
元請事業者による招待
元請事業者は、請負契約に基づく体制を踏まえて、下請事業者に対し施工体制への登録を「招待」します。
下請事業者による承認
招待を受けた下請事業者は「承認」を行う必要があります。システム上の電子的なやり取りで処理されるため、事業者間の円滑な意思疎通が重要です。下請事業者の「承認」がないと施工体制の登録は完了しないため、注意が必要です。
技能者の登録(施工体制技能者登録)
下請事業者は承認後、現場に入場する可能性のある所属技能者について、『現場作業員一覧』(いわゆる作業員名簿)に登録します。
特に重要となるのが、現場での「職種」「立場」の確認・登録です。
• 能力評価に有効な就業履歴の蓄積のためには、技能者の当該現場での**適切な『職種』と『立場』(職長、班長、普通作業員等)での施工体制技能者登録が必須です。
登録は、所属事業者が行うことが基本ですが、事業者間の合意があれば、元請事業者や上位下請事業者が代理手続者として登録を代行することが可能です。

現場での就業履歴の蓄積方法
技能者は、現場の入退場時に、元請事業者が設置した入退場デバイスを利用して就業履歴を蓄積します。
| デバイスの種類 | 認識方法の例 | 特徴 |
| 建レコ・カードリーダー | カードタッチ | 建レコアプリが必要。屋内や常駐管理者を置けない現場では、設置場所の工夫が必要となる場合がある。 |
| 認定API連携システム | 電話発信、顔認証、QRコード、指静脈、UHFタグなど | 機器を現場に設置しない方法もあり、電源やネット環境がない小規模現場にも対応可能。 |
留意点
元請事業者や上位下請事業者は、CCUSの各種機能を利用して、社会保険・資格の確認や、施工体制台帳、作業員名簿などの帳票出力を行うことができます。
技能者情報の開示設定: 技能者個人の情報は、初期登録時は「一括非開示」です。技能者と所属事業者の双方が開示に同意した場合に限り、一部の情報が所属事業者以外の事業者にも閲覧可能となります。
ただし、元請事業者は、自社が現場登録した工事に入場する技能者について、氏名、社保加入状況など「作業員名簿」に登録される情報は、技能者の開示・非開示の選択に関わらず閲覧可能です。
まとめ
CCUSは、技能者の能力評価(レベルアップ)に繋がる就業履歴を蓄積するための基盤です。この評価を確実に行うためには、現場での入退場デバイスの利用はもちろん、施工体制登録時の「職種」と「立場」の適切な設定が、いわば設計図のような役割を果たします。設計図に誤りがあると、その後の記録も能力評価に有効に使えなくなるため、各事業者は登録内容を都度更新し、正確性を保つことが重要です。


